ずさんな管理・・・

みなさん、ニュース等でご存知かと思いますが、昨日の深夜、スキーツアーに向かうバスが横転し、たくさんの若い命が奪われました。

サークル仲間や同じゼミで学ぶ仲間達と旅行に出かけ、楽しい思い出をたくさん作ってくるはずがこんなことに・・・。

 

これからの大事な命が一瞬にして奪われる・・・座っていた位置やシートベルトをしていたかしていなかったかによって助け出された学生がその時の状況を答えるべくインタビューに答えている姿を見ると何とも言えない思いになりました。インタビューに答えていた学生のほとんどが「ヤバい、おかしい」と思った瞬間から気を失ってしまい記憶がなく、目を覚ますと真っ暗だったとか外に投げ出されてるんだとか思ったと・・・。深夜の出来事だったのでウトウトしたり寝ている人も多かったようです。

当時はそれぞれに受け入れ先の病院が違うため連絡が取れない状態であったと思いますが、時間を追うごとにつれて一緒に乗車していた仲間の安否が分かり、自分の仲間が亡くなったことを知った学生の気持ちを考えると何とも言えないですね・・・。これから生きていく中でずっとこのことを背負っていかなくてはならないのですから・・・。

 

事故が起きてからいろいろ判明してきた加害者のバス会社の実態。事故を起こす数日前に行政処分を受けたばかりだとか。健康診断はしていない、ルート変更した場合の運行管理者への連絡なし、出発地と到着地しか記載されていない書類、まだ目的地に到着していないのに到着し業務が終了していることになっている書類。ずさんな管理状態が明らかになってきています。

人の命を預かる業務をしている会社とは思えないずさんな管理。責任の所在はバス会社はもちろん、そのバス会社を使った旅行会社にもかなりの責任があると思います。旅行会社もお客様にツアーを提案するのであれば、信頼するバス会社を選ぶべき。しっかりと管理されていることを目で確かめてから契約すべきですよね。

利用するこちらは旅行会社を信用して、そのツアーに参加することを決める訳ですから・・・。

運転手や乗務員の人がどれだけ経験があってベテランであったとしても、会社の管理がしっかりしていなければ意味はないですよね。

 

娘さんを亡くされた親御さんが言っておられました。「旅行会社、バス会社の責任者は遺体安置所にはもちろん我々遺族の控室にも来ていない。もう何も言うことはありません。そんなことより、このような管理体制の会社のツアーに参加させたことが無念で仕方ない・・・」と。大学4年生だった娘さんは春から希望の職に就けること楽しみにしていたそうです。そんな希望に満ち溢れた若い命が一瞬にして奪われるのですから、こんな酷なことはありません。

私自身も交通事故で友人を亡くしています。「昨日も元気いっぱいだったのに・・・」突然の出来事で自分達はもちろん悲しい思いをしましたが、親御さんや残されたご家族の気持ちは本当にはかりしれないものでした。

この事実を受け入れるにはかなりの時間が必要だと思います。

 

人の命を預かる業務に就く以上は命の重みやいろんなものを背負っていることを肝に銘じてほしいと思います。

 

今回の事故に関しては加害者の運転手と乗務員は亡くなっているため、どうしてルート変更したのか、どのようにして事故が起こったのかという本当のことはわかりません。

とにかく事故が起こってから管理状態がわかるようでは遅すぎます。

 

私達建設業も同じことだと思います。人の命を直接的に預かる訳ではないですが、自分達が手掛けた建物や道路で事故が起こらないとは限りません。万が一事故が起こった場合に、会社にメスが入り、結果的に「手抜き工事だった」ではあまりにも代償が大きすぎます。

住民のみなさんも施工業者を信頼して工事を見守って下さっているわけですから、しっかりとした管理をして現場を仕上げて納めることが第一です。

会社として、バレなければいいだろうと安易な考えで、適当な書類管理だけでは今のように何かが起きた時に対応はできないと思うのでしっかりした管理をしていかなければならないと思います。

 

事故の怖さはもちろん、いろいろなことを考えさせられたニュースでした。